ディプティック「フィロシコス」をレビュー!

ディプティック「フィロシコス」をレビュー!いちじくの葉とミルキーな甘さがノスタルジックなフレグランス

フィロシコス(PHILOSYKOS)は、1996年にディプティック(diptyque)から登場したフレグランスです。

「いちじくの友」を示すフィロシコスは、イチジクの木に覆い茂る葉のグリーンをベースに、果実のミルキーな甘さがまろやかなフルーティーグリーンノート。

いちじくのまったりとした甘さはディプティックだからこそ再現できた調香です。

甘いけど甘すぎない香調で、性別や年齢も感じさせないユニセックスな雰囲気をもつので、多くの層から支持を集めています。

フィロシコスの舞台となるのは、ギリシャにあるペリオン山。
オリンポスの神々も訪れたというこの島は、知る人ぞ知るギリシャの避暑地です。

それは、調香師のオリヴィア・ジャコベッティが夏にこの山を訪れたときのこと。
涼しい海へ行くには、野生のいちじく畑を通るしかありませんでした。

高く登った陽の光が大地を明るく照らし、乾いた風がいちじくの木々や果実の香りを運びます。

フィロシコスは、ペリオン山で出会ったいちじくにインスピレーションを受け、葉の爽やかさや、白い木の濃密さ、いちじくの樹液など、いちじく全てに捧げる頌歌です。

トップからラストへの移り変わりは目まぐるしく。ミルキーな甘さが控えめに香るグリーンノート

フィロシコス オードトワレをシュッとひと吹きしてみると、まず葉の苦みを感じるグリーンノートが鼻へ届きます。「あれ、グリーンフレグランスだったっけ?」と疑問に思うその瞬間、いちじくのまったりとした甘さが加わり、フィロシコスの真髄とも言えるミルキーな香りに包まれます。

トップからミドル、ラストへの変化は目まぐるしく、葉のグリーンノートは瞬時に終わり、ラストノートにはほんのりとした控えめな甘さだけが肌へそっと残る香調です。

トワレですが、香り立ちはコロンのように穏やかで、朝につけると午後には香りがほとんど飛んでしまいます。

フィロシコスをつけるときは付け直しが必須ですが、自分だけのパーソナルな空間で楽しみたい方にはちょうど良いかもしれませんね。

フィロシコスは基本、どんな服装でも合わせることができます。シックからモード、カジュアルからキュート、どのコーディネートの日でもしっくり馴染んでくれるので、日頃からデイリーユースしやすい香水です。

いちじくの甘さがやや若々しさを、いちじくの葉の青さや苦みがクラシックな雰囲気を感じさせるので、レトロテイストなアイテムを取り入れた服装だと特に良く似合うかもしれませんね。

フィロシコスをつけるなら秋が大本命。ノスタルジックな空気を楽しんで

フィロシコスは、やや青みのあるグリーンノートの中に、まったりとしたミルキーな甘さのいちじくを楽しめる、これまでありそうでなかった香調のフレグランスです。

いちじくの香水はほかのブランドからも登場していますが、いちじく本来の香りをここまで再現できるのはディプティックだからこそ。

夏につけたくなるような香りですが、個人的には秋がピンポイント。ちょっと肌寒くなってきた頃につけると、こなれた印象とともにいちじくの甘さがほのかに漂い、ノスタルジックな空気を楽しむことができますよ。

ただひとつ注意したいのは、フィロシコスはディプティックフレグランスの中でも人気の高いフレーバーではありますが、決して万人受けする香りではないということ。

これはフィロシコスに限ったことではありませんが、香水は紙のテスターと、肌にのせたときでは違う香りになります。

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